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空庭はひとの居心地にはじまり、その場所自体がいろんな意味で、「いい空間」であってほしい。
いい空間とは、その空間がずっとありつづけられるような、サスティナブル(持続可能)な面をもっている空間で、空庭はそんな空間=庭づくりを目指しています。 ここ10年来、都市ではヒートアイランド対策として、建物の屋上を緑化する屋上緑化が有効だとして、施工事例も増えているのだけど、 そこには、ただ「緑化」した、「屋上一面に同じ植物を載せた」という感じのものが多く、 各場所がもっている何かしらの特徴・個性がほとんど考えられていないように思えてしまう。 緑化だから、人の居心地や利用は考えない、なるべく最低限の予算でなるべく広い面積を、 みたいな考えで、日本のいろんな場所でそんな施工がされてきている。 緑化面積を稼ぐためなのか、人があがることを想定していないような建物のてっぺんや、メンテナンスフリーな植物などないのに、維持管理しにくいところに緑化されていたりなど、ちょっと?と思ってしまうところもある。 地上でなく人工物に緑を載せようとする時点で、少々無理があるのだけど、いろんな必要や、緑が欲しいという人間の願いなどがないまぜになったなかでも、それぞれの場所に応じて、いい着地点を見つけていきたい。 かたや、屋上庭園という言葉もある。 屋上庭園というと、なんだか鑑賞に値する場所でないと庭園と呼べず、さらに「見ること」に重きを置いているようなイメージで、ちょっと空庭の考えている庭のスタイルと違う。 もっと気軽に、日常的に「使える」庭のイメージがほしい。 そして居心地にもこだわりたい。 シンプルに、「気持ちいい」といえる空の庭がほしい。 受身的でなく、主体的に積極的に戸外の庭を使いたい。 私たちが日常使う部屋の延長。 半戸外の、部屋のような庭。 庭・庭園=gardenの語源はgan(囲む、防衛する)+eden(愉しみ)。 いわば庭とは、「安全で快適な場所」で「人間にとっての理想世界」を意味するもの。 理想世界といえば、別世界のような、非日常的な場所と思えるけれど。 空庭は、別に物理的に囲まれていなくてもいい。理想世界、楽園とまでいかなくても、気持ちのいい園でありたい。非日常(ハレ)と日常(ケ)をいったりきたりする場所。 屋上緑化でも屋上庭園でもない、緑化も兼ねるふだん着の庭、それくらいの感覚でいきたいとおもう。
by soraniwa00
| 2006-10-12 20:54
| みどりみどり。
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